kaiseki

EDITION No.1

虎白

黒龍

出汁の味が骨格となる日本料理に合うのは、穏やかな香りと熟成によるふくらみのある味わいの日本酒。
優しく寄り添うたおやかな包容力がマリアージュの決め手に。

日本料理の味の核となる出汁の味、旬の食材の風味を邪魔することなく、優しく寄り添いまろやかに調和する。お造りから、煮る、焼く、揚げる、蒸すなど多岐にわたる調理法や多彩な味わいにオールマイティに対応できる究極の食中酒を目指して辿り着いたのは、ただ綺麗な味わいではなく、重層的で複雑さを秘めた味わい深さを熟成によって生み出すこと。原酒の熟成管理に心血を注ぎ、絶妙に時をかけることで日本酒の新たな価値がここに誕生。

EDITION No.1

KAISEKI

EDITION No.1

¥16,500-税込

懐石

虎白

虎白

日本酒

黒龍

黒龍

新しい食材、調理法の組み合わせで「ここでしか体験できないこと」を追求
伝統と革新のバランスを取るための重要なファクターが「うまい出汁」

新しい食材、調理法の組み合わせで「ここでしか体験できないこと」を追求
伝統と革新のバランスを取るための重要なファクターが「うまい出汁」

気候風土に恵まれた日本は、海の幸、山の幸が豊富。手を加え、味を重ねることでおいしくする外国の料理とは違い、美味しい食材を見つけ、素材そのものの持ち味を活かす独特の文化が育った。現在の日本料理店では、出汁の素材として昆布、鰹を使うのが主だが、その手法が登場するのは室町時代。料理に獣肉の出汁ではなく干した椎茸や野菜、昆布など植物性のものを使うのは、仏教の教えの影響といわれている。野菜にうまみを加える工夫として出汁が使われた禅宗の精進料理が茶懐石、そして料亭、料理店で楽しむ会席料理のルーツなのだ。


また、日本は軟水ゆえ、昆布、椎茸など植物性はもちろん、鰹節、煮干しなどのうまみも出やすいということも美味しさにつながっている。出汁を大切にする日本料理店では、良質の昆布を選び、鰹節も削りたての香りの良いもの、そして出汁のうまみを引き出してくれる天然の軟水を取り寄せるなど水にこだわっている店も少なくない。


今回【éks KAISEKI】の開発に挑んだ東京・神楽坂にある日本料理店『虎白』の店主小泉瑚佑慈さんも然り。「出汁は料理の要。出汁が“うまい”と、料理の味も決まる」と日々出汁に細心の思いで向き合っている料理人だ。「昆布のグルタミン酸、鰹のイノシン酸、そして天然の超軟水の相乗効果で美味しさの頂点を狙って出汁をひきます。つまり豊かな香りとうまみは出ているけれど、えぐみや雑味が一切出ないようにその日の温度や湿度など気候も計算に入れ、お湯の温度、昆布や鰹を入れる、あるいは漉すタイミングなどを微調整しています」と話す。


小泉さんは『神楽坂 石かわ』の石川秀樹さんの一番弟子として創業当初から研鑽を積み、ミシュラン3つ星の獲得に貢献。2008年に料理長として任された『虎白』でも着実に星を重ね、20015年、36歳で3つ星に昇り詰めた実力の持ち主。小泉さんが目指すのは「ここでしか食べられないもの、驚きのある料理をつくること」。そこで、トリュフやキャビア、フカヒレなど日本料理での枠に囚われない食材も使い、独自の技法も使う。「でもそれは気をてらうことが目的ではなく、季節の食材の美味しさをこれまでにない食材の組み合わせや料理法でより美味しくしてお客様の心を動かしたいという思いです」とチャレンジはしますが、着地点はあくまでも日本料理。だからこそ、味を決める出汁はとても重要なんです」と話す。


求めるのは、繊細な出汁の風味、季節の食材の香りを邪魔せず寄り添ってくれる
香り穏やかでバランスの整った何も突出することのない丸い味わい

求めるのは、繊細な出汁の風味、季節の食材の香りを邪魔せず寄り添ってくれる
香り穏やかでバランスの整った何も突出することのない丸い味わい

日本料理に合う日本酒とは、どんな味わいなのか。「基本的には、自分の好みのお酒を頼まれる方が多いので、お客様の多様な好みに対応できるよう辛口からうま口、定番、季節酒、あるいはちょっと入手困難な限定酒など幅広く揃えるようにしています」。また、酒蔵とコラボしてオリジナルの日本酒を作る店もあるが「自分の銘柄をつくってそれを勧めるとお客様の好みを制限してしまうことになるのではないかという気持ちもあって、つくりたいと思ったことはない」ときっぱり。


ではなぜ今回【éks KAISEKI】の開発に関わろうと思ったのか。それは「日本料理というジャンル全体に役立つことですし、酒蔵さんにとっても新たな価値を創造する機会となります。そしてお客様にとっても、好みを超えた究極の1本だとお薦めできるものになる。三方良し。みんなが良くなるなら協力したいと思ったからです」と話す。


そして好みを超えた1本とは、まず、誰もが美味しいと感じるバランスの取れた味と考えた。「香りが穏やかで、口に含んだ時に甘みも酸みもうまみ、そして辛いとか苦いなど何も感じないくらい丸く整えられている日本酒です」。何かが突出することのないバランスの良さというのは、良い出汁に通じるものがある。口当たりは柔らかで、口の中で丸みを持って膨らみ、調和する。そんなイメージだ。


「もうひとつ大切にしたいのは、コースのどのタイミングで呑んでも楽しめるものということ。日本料理は、お造りのように生ものもあれば、揚げ物、炭焼き、お椀もある。食材も、さまざまな旬の野菜や薬味、魚介、肉など多岐にわたります。その香りや味わいにオールマイティに寄り添える包容力がなくては、【éks KAISEKI】として開発した意味がなくなってしまいます」。コースはもちろん、さっぱりとした食材が多い夏、脂がのって濃厚な食材が多い冬など季節も問わず、いつでも、どんな料理にでも寄り添う日本酒を目標に定めた。


『黒龍 石田屋』『黒龍 しずく』などをイメージしつつも
さらに重層的な複雑さを巧みな熟成でエレガントな日本酒を目指す

『黒龍 石田屋』『黒龍 しずく』などをイメージしつつも
さらに重層的な複雑さを巧みな熟成でエレガントな日本酒を目指す

小泉さんが自分のイメージに近いと思ったのは、大吟醸酒を低温で熟成させた『黒龍 石田屋』や『黒龍 しずく』などを作っている福井県の「黒龍酒造」だ。以前から自身も好きで飲んでいるとのことで、その魅力は「ただ美味しいだけでなく料理を引き立て、相乗の美味を生む“芯”を感じるお酒だから」と話す。


「時代に左右されない、誰が飲んでも美味しいと思える普遍的な味を大切にしながらも、極めて高いレベルでより良いもの、新しい味わいを生み出そうと挑戦を続けていらっしゃいます。素晴らしい理念、素晴らしいお酒に常々感心し、私もそうでありたいと刺激を与えてくれる憧れのブランドです」。


「黒龍酒造」の8代目蔵元水野直人さんは、日本酒業界ではもちろん飲食店関係者にも一目置かれる存在。格式が高く、孤高のブランドというイメージがあるだけに、受けてもらえるか心配していた小泉さん。しかしながら、日本酒と日本料理の究極のペアリングを探求するというターゲットを絞り込んだ新たな視点に共感し「ぜひとも参画したいと」と快諾を得ることができた。


「「黒龍」というブランド自体、食材を引き立たせる繊細なうまみと程良い風味で料理を引き立てる食中酒を目指しています。原酒の時はやや控えめに酒質を設計し、熟成により時をかけることで料理に寄り添う優しく上品な味わいに仕上げているのです」と水野さん。既存の商品でも充分にどんな料理にでも合うという自負もあるが、出汁や季節の食材を引き立てるオールマイティな味というところにさらにフォーカスするのが今回のチャレンジだ。「ただ綺麗なだけでなく、重層的で複雑な味わいをいかに上品に表現できるかが重要なポイント」と水野さんは感じていた。


原酒の品質管理を徹底しまさに職人技の微細な調整で
季節も料理も問わず繊細な日本料理にオールマイティに寄り添う美酒が完成

原酒の品質管理を徹底しまさに職人技の微細な調整で
季節も料理も問わず繊細な日本料理にオールマイティに寄り添う美酒が完成

最初の酒質の設計では、純米系からアルコール添加系、お米や酵母の違い、精米歩合の違いなど既存販売している商品を実際に小泉さんに利き酒してもらい、イメージする味を把握できるよう細かく擦り合わせをした。その結果「穏やかな香りと熟成によるふくらみのある味わいなど、弊社のお酒が持ち合わせている特徴と近いものがあると思いました」と方向性を見定めた水野さん。


小泉さんが実際に蔵を訪ね、最初のヒアリングを元につくられたベースとなるお酒のサンプルのテイスティングを重ねた。「米の違い、酵母の違いなどで何パターンかサンプルを用意してくださっていました。原酒は既存のものを使うのかと思っていたのですが、1から味わいを設計していく意気込みに圧倒されました」。用意されたサンプルに0.5%刻みで徐々に加水して味の変化を体験した小泉さん。「0.5%加水しただけでも同じ原酒とは思えない味の変化があることに驚かされましたし、原酒の方向性を決めるにもこのように緻密なアプローチを重ねていらっしゃるのだと改めてお酒づくりの奥深さに感服。大変勉強になる体験をさせていただきました」。


こうして、仕込むお酒の方向性を確定。香りは控えめ、かつ透明感のある酒質のベースを作りをする時に気を使うのは吟醸香だ。低温でゆっくり発酵させる吟醸づくりの過程では香りの成分がもろみに閉じ込められ、フルーツの香りのような吟醸香が生まれるがこれが出過ぎると華やかになり料理の香りの邪魔になる時もある。『黒龍 石田屋』や『黒龍 しずく』などのレシピも参考にしながらベースを作り、絞ったあとの原酒を低温で熟成。時をかけて味わい深さをつくっていく。


「黒龍酒造」が新酒以外の通年商品でも10ヶ月前後の時をかけて熟成させるようになったのは50年ほど前、先代の時だ。水野さんが8代目に就任した2005年には徹底した原酒の低温熟成を実現する施設として新たに「兼定島 酒造りの里」を竣工。部屋ごと、あるいは冷却装置付きタンクで個別に管理することもできるなど、狙い通りの味わいを実現するための設備も技術も整っている。


この施設で、重層的で複雑な味わいを加味できる最適の温度を選択して熟成させていった。そして、コンデイションを確認するために定期的に利酒を行い、状態を見ながらイメージを擦り合わせ、ついに繊細かつ多彩な香りや味わいを持つ日本料理に優しく寄り添いすべてを受け入れてくれる【éks KAISEKI】が完成した。


時代に先駆けて新しい発想や技法で未知の美味しさに挑戦
魂を揺さぶられるものづくりの精神に触れる

「黒龍酒造」の7代目が同じ醸造酒であるワインの世界的な人気を得ているその手法を日本酒でも応用できないかと、熟成に着目したのは50年以上前のこと。


試行錯誤しながらワインよりも低い温度で熟成させるという方法に辿り着き、さらに、米を極限まで磨いてつくる吟醸酒がなかった1975年に精米40%で仕込み、低温で熟成させた日本初の大吟醸酒、『黒龍 大吟醸 龍』を誕生させた。


「革新を続け、進化していくことが伝統になると思っている」と話す水野さん。


「今までの経験により、熟成による変化も計算して原酒の味を丁寧に設計し、その酒質はもちろん味わいの方向性を見定めてそのお酒に適した温度で熟成させていく「黒龍酒造」の手法は、日本酒が料理の味わいの幅を広げ、新たな美味しさに出会える最適の手法としてすでに日本酒のつくりの伝統として花開かせているのだと今回改めて感服しました」と小泉さん。


料理とともにあるお酒は料理のさまざまな要素を包み込み、味わいを増幅させたり、あるいは口の中をすっきりさせて次の料理へと繋げてくれたり、綺麗であり、懐が深さを持っているお酒は料理人にとって心強いパートナーだ。「お客様はご自身の好みで好きなお酒で合わせるのが一番いいと思っていますが、この【éks KAISEKI】に限っては、「飲んでみてください!」とお勧めしたくなります」と完璧な仕上がりに大満足の小泉さん。


そして「黒龍酒造」の水野さんは「今回の“懐石”、そして“出汁”というテーマで小泉さんと一緒に取り組ませていただき、何度もディスカッションを重ねる中で、料理人が求めている酒質など今後の酒づくりや商品企画において多くの気づきがありました。”éks KAISEKI”以外のジャンルでも応用できることもあると思い、新たな目標ができました」と話す。


「心が動くような美味しいものをつくる」「新しい味の発見と伝統の刷新」を常に心がけ、革新的なことにチャレンジし続ける『虎白』の小泉さんと『黒龍酒造』。この出会いからまた次のチャレンジが始まるに違いない。


原材料米、米麹

アルコール度16%

内容量720ml

Lineup進化を続けるéks ラインナップ

YAKINIKU

焼肉

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EDITION No.1
料理
焼肉 ジャンボ
日本酒
仙禽
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SUSHI

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